水の重みをうけた水色のシュークリーム

 

 

対象は観光客と地元の客に向けたような丁寧と雑多が混ざりあった陳列のショウケースの中に、水色のつぶれたシュークリームがあった。

 

 

そばにいた子供が、僕はこれが食べたいと言ったので、(これは失敗作なのか、というよりも食べ物において食欲減退色とさせる水色のアイシングが施されているシュークリームって一体)と思っていた私は、お店の人に聞いてからねと自分でもよく分からない受け答えをしてしまった。

 

 

客は私たちしかいなかったので、お店の人は私がつぶれている理由を聞く前に答えていた。「これは、水の着色料を使ったので、ご覧のように水色で、水を使ったわけですから、水の重みが出てしまい、シュークリームもつぶれてしまったんです」と。私は(じゃあ、それなら)と思ってそのシュークリームを二つ買った。

 

 

シュークリームは普通の味だったが、これで特別おいしかったらなんとなくつまらないし、かといっておいしくなかったらそれはよくない。コンセプトに趣があるね、と子供に言うと、子供は、うん、と言って黙々と食べていた。

 

 

という夢を見ました。

 

 

 

冬は風邪と人肌と

 

 

日本人のお医者さんがいる少し遠い病院へ行ってきて、家の近くのロココな内装の薬局にてキャバ嬢のような巻き髪の薬剤師さんに薬を処方してもらい、微熱と鼻づまりと食欲のやるせなさを感じながら、薬を飲むために卵とお味噌と生姜のおじやを作ろうかと目論んでいる。(でも今、明日の夜のために作った鶏の白ワインの煮込みから少々汁気を拝借してリゾットを作ることにした)

 

 

この人と真面目な話をする時はいつも眠気が強いと思いながら、昨日も昨日で眠いと思いながら、少し深夜まで話をしていた。何が正しくて何が正しくないか、白黒はっきりと折り合いをつけることをベースに生きていると、ある領域でものごとを考えなければならなくなった時、弊害を感じてしまうようになるのだとこのところよく感じている。瞬間的に思った感情を貫きながら正直でいるように、でも遠慮も忘れることなく誰かのそばにいる難しさを抱えていくことを、私はいつまで続けていけるだろうか。

 

 

赤と黄色のバイカラーで大きいおもちゃみたいなカプセルの解熱鎮痛薬を飲んで、明日も学校です。

 

 

 

眼精疲労、ブルーベリー二箱、安直な労りを

 

 

ブギスにあるフルーツ屋さんのようなお店が近所にあると知ったのは3週間前。新鮮なもやしも量り売り、ぷりっとした根が甘そうなのがわかる西洋ネギ(長ネギの代用になるか検索するのを3週間忘れたままでいる)、でも林檎はワックスでぴかぴか、そこはご愛嬌。

 

 

そこで南瓜を買いました。おそらくこちらの大陸の方ではレギュラーな大きな南瓜の8分の1個を。ポタージュスープが飲みたいと思ったのです。おしゃれな流動食。そう、少し胃腸が疲れています。というより、集中すると飲み食いを忘れるに加えて咀嚼を怠る人なので、ポタージュスープはよく作ってきました。

 

 

細かく歪なサイコロのように切った南瓜に、皮のめくりやすい新鮮な玉ねぎ。バターでは炒めませんでした、だって、胃腸に優しいがテーマだから。水から煮ても、コンソメのキューブがどうにかしてくれます。

 

 

家にはミキサーはないし、バミックスは100ユーロ前後でした。悩みます、この先きのこのポタージュや、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツなどの手強い繊維質のポタージュを作る機会はどんどんあると思うし、やっぱり買ってきた方がいいかもしれません。

 

 

でも、今日はないので、しなやかな、でも強度のあるフライ返しをお鍋の底に押しつけて、南瓜と玉ねぎをマッシュしました。ちょっと、ストレス解消になりましたので、それまで刺繍でどうしても好きになれない苦手な技法で、💢となっていた気持ちも、いくらか晴れたような気がします。

 

 

題名にあるブルーベリーは、今日の夕飯(バゲットとポタージュスープ)の後に食べます。ブルーベリーって別にさしておいしくないし、ジャムもなんだかこんなものだなと思う感じなのに、ブルーベリー風味のお菓子はとてもブルーベリーの味がするなあと感じる謎の法則、ありますよね。話が脱線しがち、なんというかここまでブルーベリーを悪く言っておいてあれですが、頼むから目に良い効果を発揮しますように。

 

 

明日頑張れば、木曜日はお休み。というのを23回は思ったでしょうか、そんな感じで今日を終えて明日ものらりくらりやっていきます。ちゃお

 

 

 

アイフルタワーの国へ

 

 

12時間半のフライトという自分の中では無理だろうと思っていた時間を(私は飛行機が苦手だと思っていて、でも案外大丈夫なのねと確信したけれど)、小さな座席の中で丸くなったり、首を寝違えたり、映画を不真面目に観たり、機内モードにしたiPhoneを読んだり眺めたりしながら、パリへやってまいりました。

 

 

ブログの書き方を忘れました。改行ってどんな感じでやっていたっけとか、あと言葉があまりスラスラと出てこないけれど、そのうち思い出すでしょうか。

吐露する場所が欲しくなったとか、そんなわけでは特にないけれど、長い文章を書きたくなった時は、やっぱりブログがいいですね。

 

 

新しい住まいは、今のところ、水の問題も、あたたかい水の問題も、電気関係の問題も、とにかくパワーサプライ的な問題は発生しておらず、寝る場所もあるし(大きなソファーとセミダブルベッドだけれど、掛け布団はシングルサイズ)、食べる場所も6人までなら招待ができるし(でも私はホストが超苦手なので永遠に人を呼べない)、キッチンにあるものもまあ大丈夫(湯沸かしポットの中のカルキの白いふちにはヒッと声が出ましたが)。でも、トイレの流す音がとても強靭で極悪な音なので、それに慣れるのにもう少しかかりそうです。

 

 

というか、ここまでで( )をかなり多用しているので、相当文章を並べるのが下手になっていることに気づきました。わお。

 

 

それから近所の住人とも挨拶を交わせたし、日本の食品を売るマートで午後の紅茶を発見して(飲んだことはないけれど)、久しぶりに知っている誰かに会ったような気持ちになり、ボトルだけ撫でてきたり。

建物の彫刻とか、取り付けられているドアフックの彫金とかをずっと見ていられるなあと思いながら街を足早に歩いたり。

スリは多いけど、ひったくりは少ないという記述を読んで、ならクアラルンプールよりはマシかも(いやいや、でも危ないね)と思ったり。

ドーベルマンのような人と仲良くなって、お酒を飲みに外に出たいねとか(そういえば、こちらに来てから一滴も飲んでいない!)。

 

 

今週からは外に出る回数とか、より中に深く入っていくことが増えていきそうなので、自分で自分を抱きしめる回数とか、甘やかすこととか(冷蔵庫の中に霜の草原が広がる冷凍庫部分を発見。アイスも買える、ひっひっひ)、時々取り入れていきながら、乗り越えていきたいです。

 

 

 

突然思い出す人、シライミーさん

 

 

 

 

その昔、バブルに向かいつつあった頃、父に専属の運転士さんがつき、おそらく彼はマレー系シンガポーリアンで、名前をシライミーと言った。いつも濃い色のサングラスをかけて、整った口髭をしており、そして極めて無口な人だったので、「グッモーニン ミスターシライミー」と声を掛けても、「ン」とかしか言わないのだった。本当に無愛想である。低血圧だったのかもしれない。

 

 

うん、それだけの更新です。

 

 

 

 

混ぜて舐めたい、泡つきの枝を

 

 

まんま枝のシナモンスティックが添えられたカプチーノを飲みたい欲望にとらわれてから早数週間。

 

 

昔どこだったかな、クチンかランカウイだったかダマイビーチだったか、小さなリゾートへ旅立つ前の小さな空港で、父がカプチーノを混ぜた後の泡つきシナモンスティックを私にくれて(私はコーヒーが飲みたくて仕方のない子供だったから)、私はそれをずっと舐めていた。ひもじいエピソードである。

 

 

昔を思い出す頻度が多いのは、現在目の前にあることがたわわだから。たわわに大変、たわわに割と焦る、たわわに時間は大丈夫だろうか、たわわに日本語が変になっていくが、フィーリングで私のたわわのあわわをご理解頂きたい。

 

 

昨日ツイッターで丁寧な日本語を使わない日が欲しいみたいなことをツイートしたけれど、それは本当にそう。声を高くしないで、ありのままの地声で、マジでー?とか言いたい。マジでー?また期限遅れるのー?うわー、結構最悪!って。(あらまあ、大丈夫ですか?大変申し訳ないのですが、わたくしの予定は今週は変更がききませんので、今後のスケジュール、どう調整致しましょうか?来週以降でも可能ですか?とか実際は言う。オブラートに包むどころか、オブラート+カプセルくらいの包み方してるなあと思う)

 

 

故にシナモンスティックが添えられたカプチーノを私は飲まなければならない。お店を、探そう。検索すれば何でも出てくる世の中にいて、こういう時は良かったなと思います。

 

 

 

鱧と葛きり

 

 

ふと、今年の夏は鱧をたくさん食べようと思い立ちました。天ぷら、ぼたん鱧、炙りに、しゃぶしゃぶ。淡白でコキコキの食感で、じゃじゃ馬なふぐ。フィッシュ&チップスのフィッシュが鱧バージョンとか、ファンキーなパブにあったりしないかな。でも、ここの土地の人達にバレたら瞬時に撲殺されそうだからさすがにないかな。ここは、そういう土地。抹茶しか冒険をすることが許されていないような、そんな感じ。

 

 

数えてみたら、あと2ヶ月と10日。そう考えると、毎日鱧でもいいかもしれない。そういえば、去年は葛きりばかり食べていた。花街の近くに、きしめんよりも幅広の葛きりを出すお店があって、そこへ父と母は新婚旅行の際、訪れた。母は渡星を控えていたからか、寒い冬だというのにも関わらず、葛きりを食べたが本当に幸せだったという話を幼少期から幾度となく聞かされていたので、私もそこのお店の葛きりで幸福を感じることのできる特技がある。もう少し暑くなったら、食べに行きたい。鱧の何かを食べた後のデザートに。

 

 

私は白と透明な物が好きなので、鱧と葛きりの組み合わせにハッとした。これからは、好きな食べ物は砂肝と土瓶蒸しですなんて言わずに、鱧と葛きりです、と言おう。どことなく、文化人っぽいような、っぽくないような。食欲が薄そうな印象を根付かせる感じはかすかにある。まあでもいいね。